今日もまんざらじゃなかった/ホロウ・シカエルボク
レみたいな感じでさ―路地のそこら中で垂れ流された小便が朝に気化している、ほんの少し前には金でやり取りされた水分、いまとなってはただの甘ったるい臭み―路地を抜け出して公園のベンチに腰を下ろす、向かいのベンチじゃ前後不覚のおっさんが寝ている…酩酊気味の老若男女、それでもも一度目線を上げて歩きだす、純情過剰な街角の応援歌の、グルーヴしないバスドラの裏を取りながら…エブリバディ夜明けだぜ、木々の葉の隙間から連続する閃光、まんざらじゃない、ぜんぜんまんざらじゃない、意味や無意味や鋭気や徒労、どんなプラスやマイナスがスッキリしない腹の中でくんずほぐれつかましていたって、こんな所行の挙句でも俺は全然まんざらじゃない―足もとの砂を何度か擦って色の惚けたスニーカー、息をついたら家に帰るぜ、光のあるうちゃ眠りたおすさ…
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