岬まで/天野茂典
いそしぎの浜で
ぼくは三輪バギーをあやつりながら
海風を浴びている
砂の轍をつくってゆくのは
自分自身だ
はげしくジャンプするが
腰を浮かせて対処する
あの岬まで
ながい浜をぼくは
鈍いスピードになって
波打ち際を疾駆するのだ
マシンは順調だ
松林も近くにみえる
白砂青松
日本の国土でアウトドアのモーターバイクに跨って
ぼくは走る
奔ってゆく
空は高い
なにもかんがえないで
あの岬まで
奔りきればそれでいいのだ
浜辺にはいろんなものが漂流している
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