まどろみ/
乾 加津也
濡れても 乾き
めざめてもまどろみ
朝
わたしの声は地平のはてから
すり傷だらけの肩をたらして くすみ
つめたい
感傷でぬりかためた唇にすわって(さらりさらりと)
くず折れる
「もう いいのよ」「きにしなくてよ」
どこかの
あなたの
ささやきが
雨にうたせた目を閉じて いつまでも
わたしを包みこんで
いてくれたなら
文明のあとの吐息のように
光のカーテンがひらかれる
永遠の樹林で
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