かれん/
salco
きない自由とは畢竟、自分自身
心のまま生きることだろう
凡庸な狂気を映しているに過ぎないこの女が
すると女神に思えて来る
どんな女優が演じるより痛ましく清らかな女の本質に見えて来る
こうして可憐という無垢は、狂気でしか保存し得ないのだ
「正常な」女は皆、これを演技する
ただ狡知か錯誤で外向きにしつらえているだけで
衆人環視にピンクのベビードールではなく
擦り切れた垢まみれのセーラー服で浅ましく
十四歳の再演にこれ努めているだけなのだから
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