Play it Again/ホロウ・シカエルボク
 

飛び降りた誰かに思えて寒さが増した
窓を見上げては見たけれどそこには何も見当たらず
そもそもどのくらいの人間がそこに住んでいるのかすら
判らないくらい同じ程度にうらぶれた窓ばかりだった


お前の荷物がまるで
この街で手にしたものはそれくらいだと
話してるみたいにささやかなもので
遠く点滅してるパトカーの明かりと
その中に消えそうな横顔ばかりずっと見つめていた


朝が来たらまた同じゲームをいちからスタートするのさ
お前の指のリングは一度入れ替わったけれど
それでもやっぱりスコアを弾きだすためのアイテムになることはなかった
氷河の中で死に絶えたマンモスみたいに
おんなじ形で残ってはいるが昔とはまるで違うものだ


肩の力を抜いて長く息を吐いたら
煙草の煙みたいに薄く漂いながら消えた
いきがるのに疲れた野良犬とチャチなホリ―のためのバラッド
白み始めた空に最初に見えた雲が
お前と同じ方角を目指して流れていた





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