薄幸と的/
AB(なかほど)
二番煎じのお茶が
案外おいしかった とか
立会川からの車窓に
富士山が見えた とか
そういうことで
日々が過ぎてゆけば
あのひとも
泣かずにすんだのかな
ときどき
途中下車して
ひとりで飲み屋に入る
今日の幸せが
奴さんだったりトマトさんだったり
糠漬け様だったり
探しているものなんであれ
あのひとも少しずつ
少しずつ
即興ゴルコンダより
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