みすぎた/はるな
しりながら 夢をみすぎた いくつかの瞬間には 死だった しりながら 罪をながめた そのとき初めて会ったみたいに 橋は わたしのためのものではなかった 自分むけにつくられたせかいなんて嘘だと しりながら 夢をみすぎた 目も頭も舌も性器も 肥え 腐るのを待つ いったいどのかみさまが言うのだ ただしいとか すきだとか ここちよい寝息とか 指先とか 温度とか すべてがただしくつくられて そのとなりにいるとぼんやりした わたしは きたないと わすれそうになるたびやって来る 手足を冷やし 胸を冷やし わたしの思考は旋回し着地する 夢だとしりながら 嘘をみすぎた
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