Queeeeeeen/salco
 
乗せ、再び城に向かった。
 木蔭から窺っていると、二人は門衛に書面らしき紙を示して取次を要求
し、衛兵にも高飛車な態度で何やらまくしたて、面倒臭そうに出て来た下
役人と押問答していたが、小さな手提げから別の紙を取り出して振り回し
たかと思うと、そのまま一緒に入って行ってしまった。
 早馬の迎えの者は慨嘆の気力も失せていたので、もう少し辛抱していた
ら、あるいは損を取り戻せたかも知れなかったと、おのが短慮をぼんやり
悔いたことだった。

                              つづく
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