フェルメールの恍惚/
吉岡ペペロ
もうすぐ4時だ
バニラビーンズのようなあごになっている
営業担当エリアの空に
輪郭のない太陽がかがやいている
からだには塵芥がつまっている
こころには水滴がおちている
その洞窟に死の秘数がまるで
フェルメールの恍惚のごとく静止している
もう4時なのだ
あと三軒は営業しにゆけるはずだ
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