襤褸凧/
……とある蛙
た凧の顔
ひどく醜いヒョットコ顔
引っ繰り返った凧の顔
ひどく恥ずかしいすまし顔
しかし
遠目で見ていては
ぼんやり どれも同じ顔、
あっちへふらふら
こっちへふらふら
ここから見てるとこの凧は
路に渦巻く風のせいか
世間の小さな風のせい
安手の薄っぺらい自尊心が
行きたいところにも行けないで
肩肘張って漂っているようで
ちょっと眼が悪くなったせいか
沢山の襤褸(ぼろ)凧が見えるようになった
それが良いのか悪いのか
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