売れないけれど/番田 
 
けたら幸せなのにといつも願っている



そうだ 私はこれは出口なのだろうかと 少し 人より思うから 頭が悪いのだ
それとも脳みそだけが悪いのだろうかと 今日も一人でなんとなく物思いにふけっている


かつてに思い出される
子供の頃は 青いプールの中を 笑顔で泳ぎ回っていたものだった
低いボイラーの機械音が コンクリートの奥から響いていた
笑っていた 私は いつも 犬か何かのようだった



響き渡る 聞こえている 靴音のコンクリートで
帽子をかぶった 紫色の 私は
疲れた頭で すべて 音楽なのだと思うことが
そして許されていた 少しだけ
誰もが 何も制約されることなく 貧乏なんだとしても 金持ちになれると
現実離れした世界に いつも そんな私は憧れていたかった 


戻る   Point(3)