くぐる/
乾 加津也
起きるのに
ちからはいらない
仮想と現実のライラック
ひろがりさざなみあう窓辺で
けだるさふくらむカーテンとすこしの
日のひかり
笑い声が怖い
と生まれる七つのせかい
親切が痛い
とまた七つ
ひとつの
躯をよこたえる
カルン カラ コラ
わけいる下駄
いつか いかず いなまず
待つ瀬
/発芽(ゆめ)
ねむるのに
ちからはいらない
窓のむこうからくる
丸いちからにさわる
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