理由/小川 葉
けたんだよ
たまにはやくかえると
むすこがうれしそうに
すりよってくる
それよりも
ひらがなおぼえたのかと
つまらないことをいう
ほめられたかっただけなのだ
ただそれだけだったのに
いばっている
やっぱりおれは
いばっている
いやなおれ
おれをやめたい
やめたら
おまえとあそんであげられるのに
いばるひとにならないと
おまえたちを
くわせていけない
+
もうおなかいっぱいだ
この詩も
こんなにたらたら
たらこをたべながら
かくつもりはなかった
たらことは
うまれなかった
たらのこだ
いいかえせば
うまれるはずだった
たらのこだ
わたしのなかを
たらがおよぐ
うまれるはずだった
たらこのひとつひとつが
わたしのなかで
いきている
もうおなかいっぱいだ
それいじょう
いきている
りゆうが
おもいつかない
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