少女詩 さいごの日曜日/salco
晴れ渡った空の青が濃いのは季節の分かれ目だから
あたしは出かけなければならなかった
剥離は目撃しなければいけないのに
お父さんは寝転がってゴルフばかり見ているし
9月さいごの日曜日だからと言って
お母さんは朝から衣替えに没頭しているし
弟は従兄達とジャパン・ブルーで日産スタジアムへ
行ってしまったし
友達は彼氏と遊園地や川原に行ってしまったか
ふてくされた顔で家族と近場の旅館にいる
あれがさいごの日曜日だった
あたしはだから出かけなければならなかった
空を見に
空が深く、朝晩が冷え込むのは
冬になって行くからなので
秋なんて季節は本当には存在しない
思い出になるだけ
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