真夏の菓実/佐倉 潮
べしってことね」チュパチャップスは笑った。「具体的なアドバイスはとても参考になるわ」
「どういたしまして」
「ねえもういっこだけ訊いてもいい?」
「もういっこで百問目だよ」
「そんな莫迦な!(アハハ) ええと、生まれ変わったら何かやりたいこととか、なりたいものって、ある?」
「…ウーン。生まれ変わりなんてあんまり信じちゃいないんだが、やりたいことといえば、百年先に生まれて、ロケットに乗りたいな。きっと百年後の連中は当たり前に乗ってる筈だからね。頭の悪い俺でも乗れると思うんだ」
「そうか。素敵ね」
「君は?」
「それがあたし、まるで考えたことがなかったのよ。今初めてフトそんなことを思ったから。だから訊いてみたくなったの」
「そうか」
「こんど観覧車に乗る時に考えるようにするわ」
「いい考えだ」
「じゃあ、さようなら」
「ああ、元気で」
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