神様/はるな
 

遠い夢にひとりきりでたっている 澄んだ海辺に干されるように


やるせないものばかりを盗んでいる ほつれた糸を引き抜くように


後ろ手に楽器を鳴らすようなもの わたしを見ないひとを抱くのは


ため息を味わうように夜を汲み 肌も舌も敏感になりすぎた


朝だけをひたすら待っている二人 夜のすべてを肯定するため


金色の迷路のなかで木を食べる 本当のこと言わないように


前にも後にも進めないぼくの なみだに名前をつけて落とそう


神様どうかいかないでここにいて頭を撫でて頬に触って



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