砂の歌/
あすくれかおす
降るように
凍てついた夜も目をつむる
まぶたを閉じればあったかい
海には多くの時が流れる
それをもらったり
あげたりしながら
そこでは誰もが
こいで こいで
空に訪ねる
なぜ光るのか
ぼくがかえしにきた
自分の時計の中の砂
いつかだれかにすくわれて
だれかの今になればいい
いつも明るい砂の上
手のひらをすべる舟でゆく
じゃらじゃらと指があそんでる
振り返ったりしなかった
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