人は誰でも他人の黒衣。操っていると思っても、操られている。 阿呆のからくり糸巻車。 そろそろ時が来たようね 中世から、このてのひらの上の地図まで時がなぞる、阿呆の船の輪郭。 ガリレオ・ガリレイをひとさし指にくくりつけて、 墜ちてゆく墜ちてゆく 天国のてっぺん 天動説に眼を射られ、地動説には釘を打ち、 身は囚われて船底に、人動説の時を待つ! 「阿呆船」寺山修司