Queeeeeen/salco
お煩い
二日に一度、王子は乳母に抱かれて母上にお目通りするのだった。とこ
ろが扶育大官だけが入室し、つつがなくお育ち遊ばされている旨奏上する
のを控えで待つだけである。
天井まで山積した国政に裁可を下し、産褥に散逸した美貌を取り戻す為
に女王は忙殺されていた。とりわけ世継ぎ誕生を寿ぐ大規模な祝宴が再来
月に予定されており、各国の大使や領事・高官を始め愛人達をも含む来
賓、国中から奉祝に参じる有象無象の前にすっかり元通りか、欲を言えば
一段と輝き亘る艶姿を準備せねばならない。
というのが公の見解であったが、製造・出荷までの責務を果たしたから
にはもう何の障りも
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