テンプレート/あやさめ
 
分子は
位置だけ示したとして誰にも追いつけない動きに戸惑うだけ


終わりも始まりも無い世界の区切りと親切なラベル貼り
半球の形をして勝手に図化されたシステムが落ちてきて
見たこともない生き物に誰かが勝手に学名をつけては
特徴をずらずらと書き並べて初めて区別のつく状態

  儀式はいつも「名付け」から始まり毎年同じような雰囲気で
  忘れてしまう前にもう一度切り分けで記憶の中から出てくる
  そして記憶は最後に記録の中で綴じられてそこで仕舞いこむ
  目の前にないものもそこで閉じて次の水たまりがはじける
  

目の前に生きているベッドの上にある誰かの顔をした関係と
このテンプレートを比べてレンコンの茎みたいな稜線を引こう


彼らの背中に今日もシーニュが貼りついている  

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