庭/Akari Chika
より
相応しい慰めを得る
耳は毒
だから
封じて
美しい庭だけを 見つめている
私は 路上に捨てられた缶から
芽が出ることを 知っている
何も
ない
誰も
不在
そういう場所にこそ 奇跡がある
だから私 目を伏せて
頭を 空っぽにする
心まで 無にする
いつか その場所から
庭が生まれたら
優しくなれる 気がしてる
抱きしめた膝に
影が落ちて
天体の中心に 居るような 心細さ
それでも
風に弾む
一輪の 花から
誰の答えより
相応しい慰めを得る
愛されていく
そう感じている
いつか 時が過ぎ
変わり果ててしまっても
この庭だけは
美しいまま
そう信じている 今
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