火の学会の着席順 清水武夫/鵜飼千代子
 
った四十六本の瞳線が
  新しい一人の先生に集中する)
生徒諸君
我々が今から学ぼうとする現代物理学は
深くてたしかな根がありそうですが
電気探索機でさぐってみますと
それは地中三十センチで切れており
ひとえに世間のひたむきな信仰で支えられ
樹幹で諸君からエネルギーを吸い取り
確率とか統計とかいう忍術で
人目をかすめくらましながら
上へ上へと銀河系の外へ広がるのです
しかし今は一念にプラスマイナスを丸暗記し
そいつをすなおに並べて行けば
ちっともおそれることはない
わたしの肺腑からしぼり出す
このト長調の風でさえも
諸君の頭脳がまわりはじめたようですが
そこが一
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