氷河のながれ/吉岡ペペロ
 
いていた

たまに雪崩の音がした

氷河のくずれるのが眼下に見えた

その音はたよりなく聞こえた

氷は青かった

氷って青いのか

くずれおちた氷は青い河に収まっていった

河も青かった

ここで死んだら、

この河のながれにながされてしまうまえに

冷たさで絶命してしまうまえに

衝突で赤いからだを散乱させてしまうまえに

ここで死んだら、

あのときその選択肢は

これ以上ないほど僕に差し向けられていた







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