灯/Oz
セブンの首は取れてしまった
怪獣達はここぞとばかりに
セブンを打ちのめし
セブンはやられてしまった
僕はそういう夢を見た
実際の所、
僕はセブンなんて持っていなかった
持っていたのは
怪獣達の中の1匹に過ぎなかった
(彼は飛び蹴りをした
あの怪獣ですら無い)
世界は
進行を止めない
老婆が死に
乳飲み子がSEXを覚えるように
カビは増殖し
ネズミは蔓延る
個体は失われ
総体は変化し続ける
薄汚れた机は
僕にとっては
失いたくない存在だ
改善し
補強し
状況に合った空気を作り出すことで
現実を修正する
僕らは
とても弱い
まるで
吹き消されてしまう
ロウソクの火のように
覆いを被せ
適度な風を
受け入れながら
その灯を
絶やさぬようにするしかない
ただその光は
誰かの足元を
きっと照らしているはずだ
机に広げたノートには
そんな詩が
書き連ねられた
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