終りの惑星/Akari Chika
 
苦しみの海に舟を浮かべている

あまった人生
わたしは人より多く
時間を与えられたんだろうか

忘れたくない
ここが好きだった理由
ここに居てくれと頼まれたからなのだった


足跡
もう会えなくなるから
もっと会いたかった

最終着駅
ふたり寄り添うように
次に住む家を探していた

大きな窓から沈みゆく惑星が見える
手作りのスープはやけに温かくて
オニオンの香りの
彼方に漂った

証しが欲しくて
証しが欲しくて
握り合う手の隙間に風が入り込んでも
ふっと
消えてしまう真っ平らな炎の甘み

砂浜に敷いた毛布
こんなバカンスも最後だろうか
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