乱反射/
瀬崎 虎彦
なにかがはじまるのだな この場所で
川の流れのように
地を這う蛇のように
ゆっくりとした確かなものが
季節のように訪れるのだな この場所で
変化に気づかない愚か者も
木々の彩りに目を奪われて
しばし歩みを止めるようなことが
雨が降ればいい
風が吹けばいい
君はもう逃げる場所がない
直情的な繊細さを
夕方の空に浮かぶ
金星の光で撃つがいい
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