かがり火/アラガイs
 


野分も過ぎれば
盆水は枯れ
鬼灯なる火祭り朧
無月に揺れた
石蕗が送り火
窓/渋柿に染まり
偲ぶ風花
季節は移ろい
滞るままに
連おもう携帯の

いつか
あの山の向こう
この海の果てで
だれかが暮らし
川は流れ
韻に流れて
よるべなき道

(燃えつきてなお
喩のようにいき
比喩のように
朽ちてゆく
のか)

冬野を待つ
干し草の
松明よ
篝火に
(散
)れ
そして
露と
椋鳥の
(壼)
一遍の詩も
残りはしない








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