海の見える家から/番田
無限の形を手にしようとする
白色に 印に 色味に 一つに
形に 中に 骨に 支柱に
その 丸みに ボールに 手応えに へこみに
ゴムの一つを 手は掴もうとする
そこに立っている 体は視界にかけらも無い
色彩の物質を掌に見ようとしている
私は 緑色の 木々たちの流れに
石ころは なでている私には黒く 何も見えないのだ
私の灰色の雨雲が実体となり 頭上にある
人間は木々の影に幾重もの彩りの模様を見たのだ
流れる 銀色の岩の表面や 肌の内側に
核質は 目の近くに見えないものだった
空間の色の感覚があるだけである
手は影に散らばりを見る
土を流れる ゴミくずの包むメモ書きで
ああ 君の詩の走り書きがあると
夢見る ページの表面に きっと
私は声の赤い唇を見る
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