孤高を気取れど/松本 卓也
 
らしくて馬鹿らしい
だから舌打ちするしかないんだって
そんな気で居ること
多少なりともしあわせ

今日も君の笑い声が聞こえてきたけど
その方向に目をやることさえ出来ないで
他の誰かさんとよろしくヤッてること知ってるから
そんなもん嬉しげに眺めるの情けないだろ

理不尽な指示勝手な未来予測を掲げつつ
犠牲を生み出すのが当たり前のサラリーシーフ
いつから落ちたのかどこまで上がっているのやら
口惜しくなんか無いと強がって見せたいけれど

非常ドアを目立たぬように蹴り上げて
聞こえない振りした舌打ちが廊下に響いてて
熱くなる脳の深く真髄に染み込んでる
疑問符に寄せられた解答が崩れてる

すんなりと先々の展望を述べてみて
実は嘘だと叫び吠えたい衝動に駆られて
生み出された虚像に憤慨してるばかり
生き延びてたいだけだなんて
我侭でしかないというに
ただただ寂しいよ
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