無言絶句/
海里
とある詩人が当代の
詩をものにして伝説の
詩聖にならんと唐を出て
ドラゴン目にして絶句した
四声平仄朗々と
五言で篭絡するはずが
啓蟄の竜がガオガオと
欠伸なだけで口ぱくぱく
壷中天地水未詩未満
悲喜こもごもに引きこもり
続けていれば良かったものを
詩せずして詩かばね拾うものなし
「色鉛筆のためのパレット」より。
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