ひとつ ほとり/木立 悟
 
緑を呑む
他のひとしずくを残し
ふるえは消える
瞬でさえなく それは消える


視界のかたち 二重のかたち
針の先の野
羽のある生きものが
みな歩いてわたる野


鉛の筆と鉛の槍
蜘蛛も蚊もひとしく降りつもり
やわらかさに爪を立てる
ひとしさにひそやかに 爪を立てる


尖り分かれる辺のゆく先
伸びることなく延びつづけ
そのものがそのままで在る暗がりを
そのままにそのままに受け入れてゆく

























戻る   Point(7)