かなしみの夜/瀬崎 虎彦
 
かなしみの夜に
貝殻の雨が降る
わたしのように繊細では
とても生きていけないとおもっていたのに

ちゃんと生きてこれて
今日も生きています
いろいろなことに感謝しています
かなしいことにも感謝しています

誰かにケアされる能力を
誰かに大事にされる能力を
欠如させたままだったのに

生まれてちゃんとここまで歩いて
あなたはここにいるのだと
わたしがいって聞かせる夜
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