共有/真島正人
 


具体的な何かを求めすぎだ、と
その男がしゃべった
だが具体的な何かとは、本当は、何だろうか
彼の頭の上を空気が流れていた、雲も、
その雲は、
我々の吐き出した煙だったかもしれない
かもめが群れて
食べ物を食べていた
僕はその群れに
石を放つ男を見た
そして
石の軌跡はだんだんと曖昧になり
最後にはそれはただの光の塊になった。


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