●●●●の回帰/リンネ
 
まさぐるが、何も入っていない。尻側のポケットにもなかった。カバンを開いてしばらく探すと、暗い底の方に落ちていたカギを見つけた。
 しかし、開かなかった。どうやらカギが違うようだ。ということはつまり、ここは私の家ではないのだろうか。だが表札には私の名前がある。ますます様子がおかしい。何度も言うが、キツネに抓まれたような気分である。私はわけが分からず、その場でぼんやりとドアを眺めていた。
 (ドコカラドコヘカエルノカ?)思えば最近、私は帰宅することに強烈な嫌悪感を感じていたように思う。私は、何度となく家に帰る。こうして、どこからきたのかもわからず、ただ家に帰るだけの、なんとも矛盾した行動。痙攣のよ
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