長編詩 陰茎 (審美学的観察と考察の試み)/salco
人類の悪は
常に、常に、横並びの連帯責任だ
なぜなら正義の定義が大義一つでコロコロ変わる
真理なんてどこにあるのか
解釈一つで、見える世界はいかようにも変わる
それを防げた例はない
私は動きたくないな、一歩も
進みたくない
何らの毀誉褒貶にも関わりたくない
彼のお腹に頭を乗せて、
目の前の物を眺めるのがいい
アマゾンの奥地で暮らすのがいい
それで、夕食後は最も手近な芸術鑑賞
だって夜は暗いから、することないじゃない?
文明は力から 文化は暇から発祥する
例えば現代、
あるべき幸福に至る手段を
千手観音の如く授けられた娘が長じて
座標軸に望む景色とは何か
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