似非者たち/アラガイs
明日食えなくなれば
君、きみは白く
きちがいになればいい
記憶の在処を忘れた痴呆老人のように
惚けた役者を演じてやればいい
そうすればきっと誰かの目に止まり
こちらから
施しの言い訳を訴えることもないだろう?
世の中は希望と善意に満ち溢れ
模造の花は咲き誇り
曇り空を眺め独り呟けば
うかつにも太陽は沈む
生き生きとした絵のような夜は必ずやってくるのだから
もしも
あなた
明日死にたくなったなら
あなたは気ぃちがいになればいい
水溜まりの泥水で顔を洗い
わけの解らないことばを吐きながら方便の汗を撒き散らし
虚仮威しのペーパーナイフを握りしめて
人混みの公園辺りを彷徨いてやればいい
それをやり通すだけの覚悟があなたにあるのなら
快適な檻のなかで
一生安住の暮らしができるではないか
怒る文字はない
けっして
白い布を信じるな
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