あしたバスを釣りに/番田 
 
には、見えないのであるー。
当時の私にも針にゴムのフリフリをつけただけのガラクタようにも見えた。


しかしある春先の日にミノーという、あの魚を模した形のプラグを使っていると、私の巻いていた緑色の糸が素早く横に走った。
ドバッ
突然のことに、私は驚いた。
巨大な魚が目の前でジャンプしたのであるー。
そうしてなんとか、動き回る魚を水面から引き上げた。初めてそれをつり上げた私は、後で見ると本当にもの凄いー引きつったような笑顔をしていたのを覚えている。
そう、友達が撮ってくれたーー、あの、吹き出してしまう私の顔はまだあるのだろうか。



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