thinking about Love/Akari Chika
 

迷っていたから

愛は
ブランケットのように
寒いときだけ
欲しくなる
けれど

インターフォンのように
押したら
出てくる
そういう仕組みが
今のところない

愛は
ヤカンのように
沸き出したら
止まらない
ときがある
けれど

氷のように
知らぬ間に
跡形もなく
溶けてしまう
こともある

愛は
シュガーのように
一粒じゃ
物足りない
けれど

シューズのように
何足あっても
嬉しい
ものでもない

愛には
プリンのように
突然食べたくなって
買いに走る
そういう仕組みも
今のところない

愛は
辞書のように
辿り着くまで
何ページも
めくらなければならない
けれど

薄い紙をめくり続け
ようやく
その温もりに
触れたとき

初めて 本当の意味を知る

私はまだ
最初の一ページを
めくったばかり
だけれど



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