焦げちまった空の下/黒田康之
お前の骨はとても細くて
俺の肉まで貫いていて
お前の肌はとてもキレイで
どんなものでも突き通せない
お前の骨はとても細くて
シミルくらいに痛いんだけど
白くて甘い肌のせいで
突き刺さらない
俺のまいにち
もし俺が抱きしめたなら
この夏のミルクアイスみたいに
この夏のその滴みたいに
小さくはじけて
飛沫になって
渇いていきそうな
お前のいない淋しさを紛らわせようとピーナツを喰い
俺の大地は真っ白いピーナツの畑ばかりになっちまった
俺の空は逞しい胡桃の大樹に支えられ
胡桃の焦げた薫りがする
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