群盲 像を撫でる/海里
秋は渡りの季節ですから
マンモスたちがやってきます
マンモーとともに群盲たちも渡って来ますが
像を撫でてはいけません
どうせツンデレだろうなどと言って
「見るなのヴィーナス」を見つめてはならない
何でも脱構築できるからといって
「考えない人」に考え込むのもいけない
無知は無知
未知は未知
非知と既知とのトランスポゾン
詩の中だけの詩人たちよ
ひとの詩人とひとでないものたちよ
"たち"という言葉をつける遊びはとても容易い
人を見る目と見られる目のそのままに
詩を読む作業と、作法と作用
そう、誰も
わたしの現代詩を踏むな
「オクトパス・ガーデニング」より。
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