無限ギア/夏緑林
 
水から生まれたのだとおまえは言い
空から来たのだと耳元でささやく声が聞こえ
爆発が終わり
強烈な加速に包まれるその
遙か以前に 長いトンネルをくぐり抜けていた
のだとしても
何故を問うこころが現れ
何故と問う
ことばをもてあまして
何時までたっても満足できない
きみがどれだけ
パネルの液晶を叩いても
この声は電離層すら超えていかないが
くるしくて 泣きたくなったときには

シフトをくれてまた加速する
背もたれのgを積分しながら
たくさんの歯車が噛み合っていき
一粒の意思が光と化すまで
これはきっと続いていくから

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