stupid/Oz
爪
プラスチック
落ちてくる
虹彩
冷やかな目
本から
文字が落ちていく
つるつるつると
床は
黒い文字で
覆い隠される
まっさらな
只の紙は
何かしらを
訴えている気が
しないでもない
でも、
気にくわないから
その意図を探る気は
さらさら
無い
中くらいの
暗闇に
狐が一匹
体を休めている
額に
触れてみると
目を開け
此方を見る
目は
閉じられ
急速に
体は冷たくなり
堅くなり
毛先から
ボロボロと
崩れだし
目玉だけが
コロリと
転がるから
それをティッシュで
くるんで
大切に
鞄のなかに
入れた
平板な日曜日に
うっすらと
灯が灯る
背徳と言う名の
鬼が
居間に鎮座しているから
空のビール瓶で
殴りつけた
血が飛び
雫が
顔に
馬鹿だから
それでいいと
思ったんだ
間違いなんてなにも無いと思った
だから
どうにもわからなくなってしまった
そして
狐の目玉を
食べて
喉を詰まらせて
死んでしまった
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