理由/
たもつ
鉱石の中で音符が溺れる
横のようにただ長いだけの真昼
旋律とは名ばかりの
みすぼらしい数々の記載
私たちの身体は何も語れない
具体的な生活を持たない
単なる肉の塊にすぎないから
有機物と無機物の狭間で
屋上などで風に吹かれていると
身体にも理由がある気がしてくる
理由を探すことが理由になる
唇が動き発声器官が振動する
語れない私たちにとって
言葉はあまりに優しすぎる
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