椅子が記号になるために/乾 加津也
延長につむがれた、月光はわらえ
藻屑から吐きおちてくる、どうしようもないものら、すべてを
か ざ せ ! ( うわずみによつん這う、ゆらぎの / 記号 )
か ざ せ !
茜の、寡黙
鴉の、くうを撃ちはばたくひとつ
めしべの、序列をうけいれた
りりしい、子宮(はら)とのわかれの、うた
あまさず
そして
わたしのまがうことなき
還流 ( なみだの凱旋 ) も
一滴たりとも
◇ ◇ ◇
魂と口がしぼむわたしの幕引き、わたしの名は「誠実」、わたしはみずから、視座を、執事のトルソのように、くべる、かいな、こんなにも、未来だったよアリガトウ、ゆうべ、嘔吐し、はまべ、どこでもない、白樫は炎、炎は煙、煙は灰、灰は雨となり、かなたのチェアを、ひとしれず、ぬらす、ぬらせ、ば、邂逅はやみ、わたしの蔦、喉にとおして、あいもまるく、またたけ、星、あり、けれ
いくつも
さらにいくつをも
いかして
わたしの名は
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