カレーライス/鵜飼千代子
昔 うちの父さんは
カレーライスにソースをかけて
スプーンをグラスに突っ込んで
上から下までぐるぐる混ぜて
それはそれはおいしそうに頬張っていた
ある日 それを友達に
なにげなく話した時に
恥ずかしい親とおもいっきり笑われたっけ
恥ずかしいから外では絶対やらないでよね
そう わたしが言ってから
ソースをかけることはない
好物の 楽しいはずの食卓は
もくもくと 流し込むえさへと変わりはてたのだ
だから私が父さんに
カレーライスを作る時
最後に愛情入れ足して
ごめんねと皿に盛りつける
何も知らない父さんは
お前の作るカレーはおいしい!
だなんて
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