魅惑の スパイラル/藤鈴呼
 


ふわふわの キルトに 包まれて
良い気持ち

ふわふわの 雲を 眺めながら
思いは 流れまいと
約束を 結んだ

唇を 結ぶ 代わりに
手を 繋いだ

其れで 満たされて居た

小さな 小さな 秘密基地で
僕等は 英雄だった

他の 誰でもない

ヒーローや ヒロインは
一人ぼっちが 多いけど

孤独なんて 言葉すら知らず
夕方の チャイムも聞こえず

走り回った 花時計

いずれ 花びらは 朽ちて
茶色の土と 同化して
見えなくなった

あの頃 あの道が 既に
アスファルト化 していたならば
花びら 一つ 拾い集められたかな
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