夜とふたつ/木立 悟
 
さる 立つ
上下をつなぐ


柔毛と雷光
下へ向かうものらを止めはしまい
かがやきのない熱を呑み
海は海のままに在る


指が指につける色
つまびくように遠のいて
指先の広さの 高い柱へ
雨の上の 上の夜へ


空と水を
暗がりがつなぐ
半分の紙
裏には 霧の絵


やがて夜を継ぐだろう
だが
どの夜にも重ならぬ
幸せではないふたつのもの


緑は静かに白になり
やわらかさを聴き じっとしている
月は空の頂
左目は隠された絵の夢を見る


さまようしるべの声は低い
道とは何かを 知らぬものの地図
ふたつの手のひらに
照らされてゆく




























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