日常/はるな
 

ゆうぐれに
さみしくなったり

あるいていて
ふと生活のにおいに
あしをとめたり

ゆっくりとしか
すすめないこと
くやしくなったり

生きるとゆうことが
どれだけ不安でも

指のさきにめぐる
その血のあたたかさよ

奇跡に裏返しに抱かれているようだ

みえなくなった人々や
あえなくなった人々が

次々に思い出されて
足元から夜が這う

とおくて届かない
今日のこと

ちらかっている
さきのこと

生きるとゆうことが
どれだけ不安でも

指の先をうつ
その鼓動のたしかさよ

奇跡を裏返しで抱いているようだ


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