スペインの夜/
吉岡ペペロ
真向かいにすわると遠く感じられた
目をあわせるのが居心地わるかった
スペインの夜はにかいめだった
ぼくはまるで中二の秋だった
彼女のうしろでは予約客たちが
食事を楽しまんとしているところだった
髭の上司や髭のナンバーツーっぽいひとが
笑いながらほお杖をつきながら大人だった
ぼくはこんなに美しい彼女をまえにして
まるで中二の秋だった
そのことを知っているのは
給仕のおんなとぼくと彼女だけだったはずだ
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