とうめい/はな
きみは何色で
ぼくは何色だったんだろう
透明になっちゃったのは
きみではなくてぼくだったのかな
ひとつになりたくてもなれなかったの
きみはひっしじゃなかったかもしれないけど
ぼくはひっしだったの
ぼくのかたうでがちがれるとき
そばにいてくれるのはきみだと思ってた
きみのかたあしがちぎれるとき
そばにいてあげられるのはぼくだと思ってた
手をつなぐのは手がいたいと言っていた
そうだねきみの手指は華奢だった
きみの言っていた「あとでね」はいつのことだったの
ぼくの時間軸が狂っていたのかな
きみがとうめいのぼくを見ていたように
ぼくもとうめいのきみを見ていたの
透明になっちゃったのは
ぼくではなくてぼくたちだったね
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